一眼レフのAF

【一眼レフの光路図】
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一眼レフはコンデジやライブビューでのAFとは違い、位相差AFを採用しています。
マウント内にあるミラーで上方へ反射してファインダーへ導いているのですが、ミラーはハーフミラーになっており、分光された光がAFモジュールへ導かれ、専用のセンサーで測距されます。
ミラーが精度良く定位置にないとフォーカス操作は全滅です。
フォーカシングスクリーンの位置がずれていると MFで合わす事が出来なくなります。
AFモジュールの位置がずれていると AFが合わなくなります。
受光面がずれていると AF、MFどちらで合わせてもピンぼけです。
この様に一眼レフはもの凄い精度で作られており、マウント内部を触るのはリスクが大きいという事がお分かり頂けると思います。

【位相差AFの原理図】
位相差AFの原理図.jpg

位相差AFは三角測量の応用です。
分光された光を2個のレンズで別々の光束に分けると各々の結像位置がわかります。
各々のCCD出力のピーク位置を判定する事で前ピンか後ピンかが判定でき、レンズの移動方向を決めます。
またどれぐらい差が有るかを判定して、レンズの移動量を決めて一気に動かします。
AFの電気的な調整はこの移動量等を調整値で修正する事になります。
図中のCCDはラインセンサーです。
クロスセンサーだとこの図のセンサーが縦横に配置されています。
K-mを除いて AFポイントはクロス 9点、ライン 2点ですから、合計 20個のセンサーが配置されている事になります。凄いですね~
【AFに使用する光束の観念図】
AFに使用する光束の観念図.jpg

ペンタックスの機種は F5.6対応センサーを採用しています。
図の青いのが F5.6の光束とセンサーになります。
公式にはF5.6以下のレンズで AF可能とされていますが、F8ぐらいまでAF出来るという事はもう少し内側に配置して余裕をとっているのでしょう。
あるいはギリギリ F5.6のセンサーに掛かってAF出来ているのかもしれません。
F11のレンズだと光束がF5.6のセンサーから完全に外れるためAF不可になります。
他社の中・高級機には F2.8対応センサーを装備している機種があります。
位相差AFは三角測量の応用なので、計測位置が離れているほど精度が高くなります。
そのため F2.8対応センサーの方が精度が良いのです。
しかしデメリットもあり、ボケの量(デフォーカス量)が大きくなるため合焦点付近以外のセンサーの出力ピークがぼやけてしまうため、AFを外すと復帰に時間が掛かります。
また F2.8より暗いレンズだと光束がセンサーを外れるので測距出来なくなります。