図を見ると一目瞭然だと思います。
※上図は観念図です。
厳密に言えば開放状態や F22に絞った状態でもピントが合っているのは1点だけです。
人間の目の分解能を超える微々たるボケはピントが合っているように見えるのです。
これを被写界深度といいます。
被写界深度はキャビネサイズにプリントした写真を手に持って鑑賞(25cm程度)した時に
ぼけて見えないという事を前提にしています。
※普通の目の分解能を持った人が鑑賞
ですから、目の良い人の被写界深度はもっと浅くなる事になりますね~
焦点距離に対する被写界深度の計算はこちらの URLでどうぞ。
http://shinddns.dip.jp/depth.php
被写体までの距離を様々に変えてみると F値に対する被写界深度が表示されます。
レンズ
レンズの明るさ2
C’mellに恋してさんのご協力を得て追試したデータをエクセルへまとめました。
評価は追って行いますが、とりあえずDL出来るようにしました。
TValue.xls
※Tv, Av値取得のため VBAを使っていますので警告がでます。
レンズの明るさ
レンズには開放F値があります。
レンズの明るさを示す値として捉えられている方が大多数だと思いますが、そうではありません。
F値というのは 焦点距離÷レンズの有効口径 の単純な値なのです。
どれだけ光が取り込めるかというレンズ性能の指標ではないのです。
レンズは設計により構成が違い、6群7枚とか 14群16枚、中には 15群21枚というレンズもあります。
レンズ(ガラス)は光を 100%透過する事が出来ないため、1枚透過する毎に光量が落ちていきます。
(表面で反射するためです。この表面反射を出来るだけ少なくするためにコーディングをするのです)
1枚あたり数%のロスになるのですが、枚数が多くなると無視できなくなります。
そこで簡単に実験です。
PCの液晶モニターへメモ帳を画面いっぱいに開き、画面の中央付近へレンズをギリギリまで近づけて撮影します。
各レンズとも丸形のフードを装着し、外光の影響をうけないように注意しました。
厳密にするのであれば光源と前玉までの距離も統一すべきですが、数センチの誤差ですので無視しました。
測定は ISO100 F2.8 に統一して、SSの変化を見ます。
露出倍数が掛からないようフォーカスは無限遠にします。
またレンズ毎に絞り機構のばらつきがありますので、SILKYPIXの自動露出 “オート(SILKYPIX評価測光)” で輝度を揃えました。
F値、SS、SILKYPIXの露出調整値を加味してレンズの明るさを調査します。
結果は図の通りです。
同じF2.8でもシャッター速度に2倍の差がでています。
レンズの構成に応じて EV値が変化していますね。
もっと厳密に結果を求めるのであれば下記の実SSでEV値を求めなければならないのですが、
1/3段ステップだと最大 1/6段の誤差ですので、傾向としては十分信用できる結果だと思います。
各々のレンズ構成と実SSは
FA135 7群8枚 F2.8 1/132
272E 9群10枚 F2.8 1/132
FA77 6群7枚 F2.8 1/144
FA43 6群7枚 F2.8 1/121
FA31 7群9枚 F2.8 1/111
A09 14群16枚 F2.8 1/72
です。
F2.8通しのズームレンズでもレンズの構成枚数が少なくできる単焦点レンズに比べると1段遅いSSでしか切れません。
単焦点レンズと比較した場合、実質F4通しと考えてもよさそうです。
[参考]
A031を加えて再検証した値
[追試の結果]