みなさんはモニターをキャリブレーションしていますか?
キャリブレーションしていないモニターで現像やレタッチすると、他の方がとんでもない色合いで
見ているかもしれない事になります。
一般的に買ったばかりのノートPCやモニターは色温度が高く設定されており、
ビジネス用に白が白すぎたり青白く調整されています。
写真用には適しませんので、写真がメインでしたらキャリブレーションは必須作業です。
専用ツールを使ったハードウェア・キャリブレーションが理想的なのですが、
ソフトを使った簡易なキャリブレーションでも構わないので、モニターを調整しましょう。
キャリブレーションには大きくわけて2つの方法があります。
1.モニターを標準の色再現にすること
2.プリント等出力環境に合わせてモニターを調整する
の2種類です。
今回は1.のモニターを標準の色再現にするにスポットをあてて、方法を紹介します。
私のノートPCもこの方法でキャリブレートしてあります。
※外部モニターを使用している方は色温度を 5500 or 6500 に設定しましょう。
調整後は白が赤っぽく感じると思いますが、これが正常です。
だんだん違和感が無くなってきますので、モニターの色がおかしいとか思わないで下さい。
【事前準備】
PCを起動して 10~20分以上経って、画面の明るさが安定してから行います。
その間に http://www.calibrize.com/ から Calibrize 2.0 をダウンロードして下さい。
フリーで使えて、Windows環境でそこそこ満足できるソフトはこれしか無いと思います。
ダウンロードした calibrize_2_setup.exe を起動してインストールします。
英語版ですが、ビビらずに Next でインストールをして下さい。
途中でライセンス関連のダイアログになりますが、○ I accept the agreement を選択して
インストールを続けて下さい。
Month: 9月 2009
親指AFのススメ
みなさんは “親指AF” を使ってますか?
読んで字のごとく AF作動を親指で行う事です。
で、シャッター半押しの AFを切ると
1.親指で AFする
2.人差し指(シャッターボタン)でシャッターを切る
という2動作に分けられます。
AF動作とシャッターを切るという動作が分離されるので、慣れるとメリットは多大です。
親指AFのメリットは
1.AFは必要なときだけ作動させる事が出来る
2.AFロックが必要ない
ボタンを押さない限り AFが作動しないため、AFロックを意識しなくても、常にAFロック状態です
3.シャッターを切るときに AFが動作しないので、フォーカスを固定したままシャッターがどんどん切れる
三脚に据えての風景撮りでは一度フォーカスを合わせてあとは時間の経過ごとにシャッターを切っていくだけ
4.動体撮影をする方も “親指AF” の方が多い
この様にどの様なシーンでも “親指AF” にはメリットが沢山あるのです。
慣れるまでイライラしますが、毎日写真を撮る方は2週間で慣れます。
カメラを構えると親指が自然にボタンの所へ行くようになります。
とにかく根気強く慣れるまで我慢して下さい。
親指AFが体に染みついても、これまでどおりのシャッターボタンで AF&レリーズに
違和感を感じる事はありませんので、他の方のカメラを使う場合でもOKです。
デメリットは他人に貸したとき(撮って貰うときなど)に説明が必要って事ぐらいです。
あるいは設定の「シャッター半押しのAF」 を 「オン」 にするか。
さあ、みなさんも “親指AF” のテクニックを身につけて、撮影を楽にしませう!
設定方法
1.メニューのカスタム設定で 「シャッター半押しのAF」 を 「オフ」 にします。
※「オフ」 にしないと “親指AF” のメリットは全くありません。
2.AFボタンの機能を 「AF作動」 にします。
※ AFボタンが無い機種は [OK] ボタンを AF作動にして下さい。
これだけです。
絞ると深度が深くなる理由
図を見ると一目瞭然だと思います。
※上図は観念図です。
厳密に言えば開放状態や F22に絞った状態でもピントが合っているのは1点だけです。
人間の目の分解能を超える微々たるボケはピントが合っているように見えるのです。
これを被写界深度といいます。
被写界深度はキャビネサイズにプリントした写真を手に持って鑑賞(25cm程度)した時に
ぼけて見えないという事を前提にしています。
※普通の目の分解能を持った人が鑑賞
ですから、目の良い人の被写界深度はもっと浅くなる事になりますね~
焦点距離に対する被写界深度の計算はこちらの URLでどうぞ。
http://shinddns.dip.jp/depth.php
被写体までの距離を様々に変えてみると F値に対する被写界深度が表示されます。
一眼レフのAF
一眼レフはコンデジやライブビューでのAFとは違い、位相差AFを採用しています。
マウント内にあるミラーで上方へ反射してファインダーへ導いているのですが、ミラーはハーフミラーになっており、分光された光がAFモジュールへ導かれ、専用のセンサーで測距されます。
ミラーが精度良く定位置にないとフォーカス操作は全滅です。
フォーカシングスクリーンの位置がずれていると MFで合わす事が出来なくなります。
AFモジュールの位置がずれていると AFが合わなくなります。
受光面がずれていると AF、MFどちらで合わせてもピンぼけです。
この様に一眼レフはもの凄い精度で作られており、マウント内部を触るのはリスクが大きいという事がお分かり頂けると思います。
位相差AFは三角測量の応用です。
分光された光を2個のレンズで別々の光束に分けると各々の結像位置がわかります。
各々のCCD出力のピーク位置を判定する事で前ピンか後ピンかが判定でき、レンズの移動方向を決めます。
またどれぐらい差が有るかを判定して、レンズの移動量を決めて一気に動かします。
AFの電気的な調整はこの移動量等を調整値で修正する事になります。
図中のCCDはラインセンサーです。
クロスセンサーだとこの図のセンサーが縦横に配置されています。
K-mを除いて AFポイントはクロス 9点、ライン 2点ですから、合計 20個のセンサーが配置されている事になります。凄いですね~
【AFに使用する光束の観念図】
ペンタックスの機種は F5.6対応センサーを採用しています。
図の青いのが F5.6の光束とセンサーになります。
公式にはF5.6以下のレンズで AF可能とされていますが、F8ぐらいまでAF出来るという事はもう少し内側に配置して余裕をとっているのでしょう。
あるいはギリギリ F5.6のセンサーに掛かってAF出来ているのかもしれません。
F11のレンズだと光束がF5.6のセンサーから完全に外れるためAF不可になります。
他社の中・高級機には F2.8対応センサーを装備している機種があります。
位相差AFは三角測量の応用なので、計測位置が離れているほど精度が高くなります。
そのため F2.8対応センサーの方が精度が良いのです。
しかしデメリットもあり、ボケの量(デフォーカス量)が大きくなるため合焦点付近以外のセンサーの出力ピークがぼやけてしまうため、AFを外すと復帰に時間が掛かります。
また F2.8より暗いレンズだと光束がセンサーを外れるので測距出来なくなります。